歌をしるべに ~短歌で綴る迷い道~

迷い道に入り込み右往左往する軌跡とか、痛みとか、時々は宝物も。

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返るのはこだまばかりの

【ごめんねにごめんと返すゆるやかなラリーに焦がれ壁打ちの日々】

テキストのやり取りと声のやり取りの違い。
文字が飛び交ったあとの中途半端な空気に戸惑うことがある。


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空転

【歯車もチェーンも蓋も噛み合わず空回りして擦り減ってゆく】

年に何度かこういう状況に陥る。
全てがズレてしまうこんな時は、しばらく大人しくしておくに限る。


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古びたニットみたいな

【今はまだ小さく綻んだ糸を見えないふりで夏を越そうか】

ちょっとした違和感、心の澱。
綻びが隠せなくなるのも時間の問題かもしれない。


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留まることのない

【世のなかは絶えず形を変えてゆく人の心に流されてゆく】

昨日の当たり前は今日の当たり前ではない。
一瞬の力学、偶然や巡り合わせ、そこに巻き起こる感情。

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罪悪感と空しさと

【満たされぬ想いを埋める貪食は更なる空虚生むばかりなり】

食べることで自分を慰める。
満足感もないし、後悔ばかりが残る味。


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薄まってゆく濃度

【空白の時の流れは水のごと残る気配は陽炎のごと】

思いのほか時間が早く過ぎている。
感じた温度も忘れかけている。


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暑い季節に

【遠いねと独り呟く夏の夜たぶん私の温度が低い】

本格的な暑さがやってきた。
それに引き換え、私の呟きは冷ややかに響く。

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錘のように

【失ったものの重さを見ないふりしながら生きる 時々沈む】

生きて行くためには前を向かなきゃいけないし、そのためには忘れることも必要。
だけど時々記憶の底から浮上してきては私を突き落とす。


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ふんわりとした関係

【距離感がぼやけてきたらそれなりに心地が良いと思う年月】

物理的・心理的な遠い近いにこだわりを感じなくなる頃。
濃度は薄まっても安定した関係になっているのかもしれない。

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ひんやりじめじめ

【ぐずぐずと空の泣く日はよしよしとむずかっている脊椎あやす】

ちょっと肌寒い雨の日。
うっかりすると首筋から嫌な寒気を入れてしまいがち。

(神戸新聞『読者文芸』7/11 尾崎まゆみ氏 特選)


今年3回目の尾崎まゆみ先生の評、嬉しいです!
ありがとうございます。 
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深夜のキッチン

【真夜中に馬鈴薯を茹で割り切れぬ気持ちとともに潰してしまえ】

大好きなポテトサラダを作る。
深夜特有の鬱々とした気持ちもキッチンに立つといつのまにか。

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心の底から喜べない

【青空を喜ぶことに罪は無い だが胸中に垂れ込める雲】

毎度のことだが晴天だというだけで嬉しくなるタチである。
だが今回ばかりはこの夏空が身に堪えることになる、そんな人々のことを思わずにはいられない。

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夏の音

【子どもらが短冊などを吊るす頃ひとり風鈴の音を吊るす】

今年の七夕は残念ながら天の川は見えず。
もう歳ではないけれど、それでも夏は確実にやってくる。 

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理由なんて要らないけれど

【織姫と彦星よりは近いのに逢う理由にはならぬ七夕】

もっとも今年はこの荒天で彼らも逢えてはいないかもしれないが。
「ちょっと早めの七夕だね」なんて言った日もあったっけ。

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吹けば飛ぶような

【天地(あめつちの)もとではただの藁の家シェルターとなるはずの場所さえ】

いちばん安全であるはずの我が家。
自然の前にはひとたまりもないという例を何度も何度も見せつけられる。


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息継ぎが必要な

【傘マーク湿度90パーセント空気10パーセントで生きる】

もちろんそういう意味ではない。
でもこの数字を見ると、空気が薄くなったような気がして、呼吸が苦しいような気がして。

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角笛の形の心

【名付けたいホルンのように美しく渦を描いた感情のこと】

オーケストラの中でいちばん切なく抒情的な音を奏でる楽器はホルンだと思う。
ホルンの音は「懐かしい」という感情にも似るけれど、それだけでもないような気がして。 

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乗り物、ではないけれど

【死ぬまでに一度はやってみたいことルンバの好きな猫を飼うこと】

ルンバに猫を乗せて眺めていたい。
好奇心の旺盛な猫がいいだろう
。 

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夏も食養生から

【白粉をはたき始めた半夏生 烏柄杓の花も咲くころ】

半夏(カラスビシャク)が生えるという意味かと思ったら、ハンゲショウ(カタシロクサ)が白くなる頃という説も。
何はともあれ蛸を食べねば。 

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それは愛のしるしではなく

【デコルテに証を残すのはやめて私は誰のものでもないの】

キスマークというのは、つける位置で心理が分かる、という記事を読む。
愛情と執着は、たしかに違うね。


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生きて行く上での

【鈍色の吐息で詠うから今日も何とか人の形を保つ】

心がささくれる度に言葉を紡ぐ。
是非はともかく、私にはやっぱり必要なこと。


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右肩下がりの温度

【熱量をいずれ失くしてゆくのなら始まりなんてない方がいい】

あの選択を間違いだったとは思わない、けれど。
考えるのはやめ時ばかり、時計を巻き戻したい今日この頃。

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足枷のような

【のしかかる重荷を背負い続けても放り投げても色は冴えない】

逃げたところでまた別の苦しみが待っている。
責任を全うしたところですっきり晴れわたる訳でもない。

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いつ何があってもいいように

【もし明日命が尽きるのであればあれが最後の逢瀬だったね】

人と会う時は常にそのことを意識しているように思う。
「またね」が果たされるのは実は奇跡なのかもしれない。

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生き物のように

【太古より流れるものの上に建つ大和の国はいま蠢いて】

各地で地震が頻発している。
「もう一度こんな目に遭うのか」とため息が出た23年前、いよいよその時が近づいてるのだろうか。

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初物

【唐黍の髭にもスカはあるだろう糸引き飴の苺のような】

トウモロコシの髭の先には必ず実がついている。
だけどくじ引きの飴と一緒で当たりの実ばかりではないね。

※ご存知でしょうか、糸引き飴。お祭りの露店で当たりが出たためしがない私です^^;
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眺めるだけの

【玩具屋のときめきが甦るよう指を咥えるセレクトショップ】

欲しいものばかりで、目移りするばかりで。
簡単に買えない値段なのは大人になってもやはり同じだ。 

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日本語は難しい

 【「辛すぎて泣ける」君からメッセージ「何を食べたん」違ったらしい】

やってしまった。
当然返信は、ない。


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窓は窓でも

【今日もまた景色の見えぬ窓を開けパソコン越しに世界を覗く】

世界中に通じる窓には違いない。
だが本当に眺めたいのは四季の移ろう近所の景色だ。

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内緒の願い事

【こっそりと祈るこの世を去る時が君より先に訪れるよう】

できればそうだといいなと思う。
残してゆくのも気がかりではあるけれど。


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