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歌をしるべに ~短歌で綴る迷い道~

迷い道に入り込み右往左往する軌跡とか、痛みとか、時々は宝物も。

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自らを解き放つ

【本当の私を晒し息を継ぐ 「私」を演じ続けるために】

ほんの一瞬であっても自分を開放できる場があることはありがたい。
ただ、その私と表向きの私、本物はどっちなのか、実は自分でもわからないのだけれど。


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此方で生きてゆく

【目の前に渡れぬ川が横たわる彼方(あちら)の人に私はなれぬ】

どうしても越えられない境界線のようなもの。
川の向こう岸は多くの人には当たり前の世界、だけど私には手の届かない別世界だ。


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負い目

【達観を決め込んでいるだが胸のどこかに負けの二文字がある】

勝ち負けではないと分かっている。
でも、でもやっぱり、勝ち組だとは思えないしな。


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強くはなれない

【この傷をずっと抱えてゆくことを決めたのはそう私だけれど】

そうなのだ、誰に強いられたわけでもない。
だから後悔はしないけれど、やっぱり時々とても苦しくて弱音を吐きたくなる。

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虚ろなままの

【自らで埋められぬ穴かりそめに塞がれたとて虚しさの増す】

そもそも心に開いた穴なんて、自分で埋めるしか方法はない。
代わりの手段で誰かに埋めてもらおうとしても、それはやっぱり無理なのだ。

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無反応

【叩いても振っても君のカケラさえ出てはこないね既読の後に】

ぜひとも返信の欲しかったメッセージ。
そんな気持ちは伝わらなかったみたい。

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送球エラー

【悪送球悔やむのはもう何回め気の利いたことひとつ言えない】

言葉を投げてしまってから、ん、これじゃなかった、なんて。
いつまでたっても、この繰り返し。


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猛暑のあおり

【世の中がよくも溶けずにいるものだ蝉のおしっこまでもがぬるい】

毎年、一度は引っかけられる。
多少は冷たいと感じるものだが、今年のそれは、なんとなく。

(神戸新聞『読者文芸』9/12 尾崎まゆみ氏 選)


※先月の投稿なので、もはや季節は移ろっていますね。もうあの暑さが思い出せない^^; それに今年は例年より蝉が少なかった気がします…

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虫たちの一生懸命

【風流と人は言いけり吾の歌 虫に生まれし運命(さだめ)を嗤う】

耳に優しい虫の音。
だが虫たちにとっては次世代を残すための命懸けの歌だ。

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空の約束

【灰色をくぐり抜けたら青色が広がっていること信じてた】

曇天が続き体調もイマイチだったけど。
やっぱり裏切られることはなく、ホッとした。

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未来の色合い

 【雨の日に明るい色で語り合う二人にどうか幸よ多かれ】

どんよりした天候の中、前の席に若いカップルがやってきた。
式場のパンフレットを覗き込みながら真剣に、でも幸せそうに。

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こんな日もある

【冷蔵庫の音がやけに大きくて何かに圧し潰されそうな日】

すべての感覚刺激に対して過敏になることがある。
深呼吸して落ち着く時を待つしかない。

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満たされるということ

【欲しいのは物ではなくて時間とか空気や温度そして相槌】

物質的な欲求はある程度満たされていても。
それだけで済まないところが人間の面倒なところである。


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すべては無に帰す

【飲み込んだその瞬間に忘却へ至るカウントダウン始まる】

たとえばどんなに美味しいものも食べてしまえばおしまいで。
幸せな時間も過ぎれば温度が下がってゆく、その過程が淋しい。

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思いがけず溶けだしたもの

【燻りを持て余しつつ生きていたいつかの夏に引き戻される】

偶然が重なった出来事に過去の色々を思い出す。
そしてこれもまた永久凍土のような想い出になってゆくのだろう。

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甘露のような

【熱病のような炎がまだ残る喉を潤す赤梨の露】

梨は青い皮のものよりも茶色い皮のものが好き。
この時期の喉の渇きを潤すには下手な飲み物よりも断然これだ。


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答えのない道

【限りなくゼロに等しい確率を紡ぎ続ける身をすり減らし】

信じているから、なのか、惰性なのか。
ここまで来て引き返すこともできないでいる人。


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じれったい

【夕焼けに染まる社宅の紅色で夕日を描く目を閉じながら】

窓から見えるのは夕映えの建物だけ。
夕日を見に飛び出したいのを堪え、西の空を思い浮かべる。

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学習能力

【日常に戻り記憶も薄まった頃にあらわる予測変換】

またひとつの終わりを迎えた。
もう過去になった文字を提案するパソコンに苦笑。

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薄羽の光る

【銀色に光るとんぼの群れがあり蜻蛉(かげろう)と書く理由が見えた】

西日を浴びて群舞するアキアカネたち。
遠目にはカゲロウのそれにもよく似ていた。

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泣いちゃダメ

【雨女とは言わせない明日の空どうかお願い泣かないでいて】

どうも怪しげな空模様。
てるてる坊主でも吊っておこうか。
 

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合理的な変貌

【黄に染まり真っ赤な種がほとばしる苦瓜だけど甘い誘惑】

完熟ゴーヤの種は青いゴーヤと同じものとは思えないぐらい甘くて美味しい。
鳥たちを惹きつけ、次世代に命を繋ぐための見事なシステム。


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同調圧力

【自由だと言えどもせいぜい潮に乗り漂う藻屑その程度だろう】

一人ひとりに自由の保障されているはずの国に生きているが、さほど自由でもないと思う。
結局、社会という名の空気を吸っても息苦しさを感じない人だけが生きやすい世の中なのだろう。

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健気に生きる小さな

【わたくしとアダンソンハエトリだけが息をしている静寂の家】

静まり返った家の床で寝そべっていると目の前を飛び跳ねながら通りすぎる小さな君。
ここで今たしかに息づいている、一人と一匹。

(神戸新聞『読者文芸』8/27 尾崎まゆみ氏 選) 

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一緒に行こう

【満月が夏の手を取り欠けてゆく淋しがりやをなだめるように】

夏はまだ居座りたいようだけれど、月は二十一時を境に隠れ始めている。
次に満月が引き連れてくるのはもう中秋だ。

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光は時に武器となる

【祝福の光が胸を貫いて黒ずんだ血がじわりと滲む】

苦労の末の幸せを表現した、多数に感動を与えた作品。
それ以上の苦労を重ねてなお報われることのなかった私には直視できなかった。

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たまには一献

【清酒には和服が似合うなで肩の瓶それさえもたおやかである】

日本酒の似合う大人の女性になりたいと憧れたこともあった。
近頃は色んなデザインの瓶もふえてきたけれど、やっぱり。 

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颱風

【もう二度と伝えられないこの想い奪い去ってよ夏の嵐よ】

届けたいけれど届けられない言葉。
嵐の中にぶちまけてしまえ。 

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本当はどんな味?

【口にしたことはないのに見るからに名前通りの塩辛蜻蛉(とんぼ)】

この名前をつけた人のセンスに脱帽。
もう、どう見てもしょっぱそうにしか見えない。

(NHK短歌 9月号 題「塩・鹹」真中朋久氏 選 佳作
 

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毎日が記録更新

【この人と過ごす時間はこれからも最長記録塗り替えてゆく】

どんな出会いも関係が続く限りは。
その人と自分が生きている限りは。

(NHK短歌 9月号 題「時間」東 直子氏 選 佳作)
 

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