歌をしるべに ~短歌で綴る迷い道~

迷い道に入り込み右往左往する軌跡とか、痛みとか、時々は宝物も。

ご訪問ありがとうございます! 自己紹介・ブログの説明は こちら

とどまることのできない

【回遊魚みたいな君を捕まえる仕掛けの浮きがまだ沈まない】

私自身はともかく、私の親しい人達はおしなべて多忙である。
チャンスを窺っていてもなかなか時間を共に過ごすのが難しい。

(NHK短歌 12月号 題「遊」 大松達知氏 選 佳作)

スポンサーサイト

このページのトップへ

虚しい指先

【蜻蛉さえ捕まえられずいつまでも虚空ばかりをつまみ続ける】

トンボなんていつも簡単に捕まえられていた。
のに、この秋はまったくダメで、何だか考え込んでしまったのだ。
(地方紙入選作品)

このページのトップへ

第6回 河野裕子短歌賞

第6回 河野裕子短歌賞において、永田和宏氏 選で入選しました!永田先生、ありがとうございます。

「入選」なので「入賞」にはまだまだ程遠いのですが。
この短歌賞は短歌を始めた当初から思い入れのある賞でした。三度目の正直、とても嬉しいです。しかも。故・河野裕子さんの夫である永田和宏さんに選んでいただけたことに感激しました。
河野裕子さんは七年前に乳がんで亡くなっていますが、その闘病の最中にも家族への愛に満ちた歌をたくさん残していらっしゃって、この時期の歌と夫による闘病記は、ちょっと涙なしには読めません。

河野裕子さんの実母、君江さんが短歌に親しんでいたこともあり、河野裕子さんは高校生の頃から短歌を始められています。

【たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか】

これは河野裕子さんの第一歌集『森のやうに獣のやうに』に収録されているあまりにも有名な歌ですが、短歌を始めたばかりの私が衝撃を受け、今でも大好きな歌の一、二を争う作品です。
いやー、わかるわー、少し強引なぐらいの情熱、女性なら憧れますよねえ^^

そしてやはり歌人の永田和宏さんとご結婚。ご長男の永田淳さん、ご長女の永田紅さんも歌人という、三世代に渡る歌人一家。
そのような背景もあってか、恋愛・家族(子育て&介護)をテーマにした作品が多い歌人です。
なので河野裕子短歌賞のテーマは「家族の歌・愛の歌」。
私のまったく得意としないテーマなのですが、とにかく永田&河野ご夫妻への憧れの気持ちが強く、短歌の「た」の字もわからない頃から投稿を続けて三年^^;

【あの日から何年目、って指を折るあの日が増える君と暮らして】

IMG_7361.jpg 
(無理やりフォト短歌にしてみましたw)

という歌です。全国規模の公募で表彰状を頂いたのは初めてなので、良い記念、嬉しいです♪

IMG_7353.jpg 

この短歌賞で賞を取る、なんてのは夢の又夢ですが、いつか実現できたらいいな。。。

(Instagramやってます→
https://www.instagram.com/shinka_mt/?hl=ja

このページのトップへ

心は置いてきた

【わたくしを殺そうとするこの場所で感情だけを殺して過ごす】

まともに受け取っていたら心が壊れてしまいそうな現実。
そんな時はもう、頭を空っぽにして何も考えないのがいちばんだ。

このページのトップへ

お久しぶり

【数か月クローゼットに押し込まれ思い出してはもらえぬセーター】

一気に冷え込んだので着るものに困りクローゼットをあさる。
何を着たらいいのかわからないまま引っ張り出して、そういやこんなのあったなぁ、なんて。

このページのトップへ

Tea break

【温かな琥珀の色で満たされたカップは今のわたしそのもの】

お茶やコーヒーを丁寧に淹れてちょっとしたお菓子をと。
きちんとしてお茶の時間は芯まで満たされる。

IMG_7350.jpg 

(Instagramやってます→
https://www.instagram.com/shinka_mt/?hl=ja

このページのトップへ

過ぎたこと

【「昨年の今頃」なんてノスタルジィ丸めて燃やすそして飲み込む】

去年の今頃、その後のことなんて誰が想像できただろう。
来年の今頃、どうなってるかなんて誰が想像できるだろう。

IMG_7345.jpg 

(Instagramやってます→
https://www.instagram.com/shinka_mt/?hl=ja

このページのトップへ

朝まだき

【明け方の月にだらりとぶら下がり陰の光を貪りたくて】

東の空を見上げるとちょうどぶら下がるのによさそうな月。
ピシッと背筋が伸びそうで、凛とした気をもらえそうで。

このページのトップへ

消えかかった

【遠い日の君はかすれたレシートのマルボロという文字に今でも】

返すことの叶わなかった本の間から栞のように出てきた一枚。
煙草の匂いを思い出した。 

このページのトップへ

流儀

【ピーナツの片割ればかりつまみ出す完璧でないそんな理由で】

大好物の柿ピーを食べる時にはかなり厳密な順番がある。
柿の種とピーナッツはあくまで交互、後の方に残すのは二つに割れていないピーナッツ。


このページのトップへ

隠せない表情

【動揺を隠しきれない夜がありペルソナさえも役に立たない】

もともとポーカーフェイスを決め込むのは得意ではない。
心を揺さぶられてしまったら尚更だ。 

このページのトップへ

古びたエプロン

【エプロンのポケットにある日常が煌めいていた日もあったこと】

日常がまだ日常になる前のことはもう記憶に埋もれている。
日常が日常らしくなったのはいつの頃だったのか。

このページのトップへ

残り香のようなもの

【もう今は身体に纏(まと)うこともない香りに君の気配感じて】

淡い香りを色々と楽しむのが好き。
記憶に直結する香りは時に残酷であるけれど。

このページのトップへ

枯渇もしくは固着

【秋の夜に熱い脳味噌かき回すどこへ消えたか言葉の蛇口】

実生活が立て込むと頭がオーバーヒートしてしまう。
それこそ言葉なんて一滴も出てきやしない。

このページのトップへ

そのへんは適当で

【どの程度ざっくり生きているだろうたとえばもやしの髭は取らない】

もやしのひげ根はそのまま派。
栄養や見栄え云々ではなく、単純に面倒だから。

このページのトップへ

Routine

【定型の「おはよう」「おやすみ」今日も言う錆びてしまった鈴の音色で】

変わらないもの変わってゆくもの。
錆びても鈴は鈴だけれど。

このページのトップへ

何があったの

【馬鹿なことばかり言い合う君なのに夢で会ったらえらく真顔だ】

普段めったに夢に出てくることなんてないのに。
出て来たら出て来たで、そんな顔をされても。

このページのトップへ

砕いたり挟んだり

【思い出を秩序正しくコンクリの欠片に変える怪獣ユンボ】

近所の団地が取り壊された。
たしかに人の生活があった場所はあっという間に白い欠片に。

このページのトップへ

物持ち

【すかすかの言葉を投げて返される使い古したスポンジのよう】

温度も潤いもない空虚なやり取り。
でもなかなか捨てられない。

このページのトップへ

一度切れても

【切れた糸結び直して元よりも丈夫な紐になれるだなんて】

この歳になると色々なことがあって、縁というものによく考えさせられる。
そしてこういうこともあるのだと知る。

このページのトップへ

点と線

【万物の起源はたぶん点であり線は命の営みだろう】

グラフィックデザイナー粟津潔氏の作品に触れる機会があった。
たとえば指紋、たとえば気象図、線の集積の意味。

このページのトップへ

Broken

【枯れ果てた前頭葉は捨てるから貴方の色で汚してみせて】

あれこれ考えるべきことが多過ぎると思考回路を完全に停止させたくなる。
全てを何かに委ねることができればどんなにか楽だろう。

IMG_7302.jpg 

(Instagramやってます→
https://www.instagram.com/shinka_mt/?hl=ja

このページのトップへ

せめて薪ぐらいには

【実もつけず花も咲かない木ですから立ち枯れるのをただ待ってます】

それでも生きているし生きていかなければならない。
立ち枯れてゆくとわかっていても、それなりに務めもある。 

このページのトップへ

似た者同士よりも

【チグとハグあるいはデコとボコならばどっちが君で私だろうね】

割れ鍋に綴じ蓋とはよく言ったもので。
こういう組み合わせの方が案外うまくいくのかもしれない。 

このページのトップへ

古時計

【今日からは再び時を刻み出す針を止めてた時計のように】

予定よりも長すぎた眠りだった。
錆びついた針だけどまだ動けるみたいだ。

IMG_7274.jpg 

(Instagramやってます→
https://www.instagram.com/shinka_mt/?hl=ja

このページのトップへ

前触れもなく

【携帯に残されていた断片が割れた硝子のように刺さった】

便利な予測変換も今はもう不要になった言葉をsuggestしてくるのには参る。
ネットの検索履歴にしたってそうだ。

このページのトップへ

真空パック

【あの夜の君の言葉を透明のレジンで固めなぞっていたい】

ずっと忘れたくなくて何度も反芻する言葉。
その時の表情とか体温とか鼓動とか。

このページのトップへ

溺没

【切なさが溢れて溺れそうになる雨の止まない夜は冷たい】

延々と雨が降り続く夜。
こんな夜に思い出すのは決まってあの人のことだ。


このページのトップへ

思い出す度

【あの日から遠くになればなるほどに涙が熱を帯びるのは何故】

何度も思い出しては反芻したくなるような想い出。
だけどそこから遠くに来てしまったことを思うと。

このページのトップへ

黄金色に埋もれて

【金色の波間に浮かぶとりどりの粒をしるべに芒野をゆく】  

映画のロケ地にもなった芒の群生する高原にて。
見ごろには多くの人が芒に見え隠れしながら丘を登ってゆく。


IMG_6943.jpg 

(Instagramやってます→https://www.instagram.com/shinka_mt/?hl=ja

このページのトップへ